『感謝』によって起きた母の変化

感謝とは?

「人や自然などから恵みや厚意を受けたことを「ありがたい」と思うこと、また、その気持ちを相手に表すこと」

よく「感謝しましょう」「感謝の気持ちを伝えましょう」という言葉を耳にしますよね。

では、なぜこの『感謝』が重要なのでしょう?

感謝することによって、私たちにどんな変化が現れるのでしょうか?

先日、実家に帰り、高齢の母と数日間過ごしました。

数年前に2度の手術を受けたあとくらいから、物忘れがひどくなっています。

元々、他人のために動き、自分のことはいつも後回しでそれが当たり前になってしまっている人でした。

そのように育てられたので、兄も私も自分の思いを口に出すことがとても苦手です。母にもやりたいことはたくさんあっただろうと思います。今でも〜でなくてはならない、〜しなければいけない、〜するべきがとても多い人です。

そんな母ですので、嫁姑は表面はうまくやってきましたが、今となってはそのストレスの矛先が全てお嫁ちゃんに向かっている、といった感じです。私から見ると、どちらかが悪いわけではないし、どうしたものかと考えあぐねていました。実家に帰るたびに、お嫁ちゃんへの不満を私にぶつけるため、私が「そんなことないんじゃない?・・・・」などと母を嗜めるようなことを言うと、「あんたは黙って私の話を聞いてくれたらそれでいい!」と怒りの感情に火がつきます。私としては、母の妄想のようなものが、話すたび母の中で事実となり、お嫁ちゃんに対してさらにストレスを感じてしまうのを防ぎたいので、事実ではないことは訂正したいのですが。

どうしたら母がこのストレスや満たされないという思いを手放してくれるんだろうか?といろんな勉強をしたり、本を読んだりして、試してみましたが、どれも効果はあまりありませんでした。

母は毎日起きると、父にお茶を供え、写真に向かって話しかけ、感謝の気持ちを伝えます。その後、自分の両親、父の両親のお墓のある方へ向き、そこにも感謝を伝え、毎回私に、「お父さんには本当に感謝しとるんよ。全部お父さんのおかげ」と言ってきます。

その日、感謝を伝えている母を見て、毎日感謝する自分、その自分に誇りを持っているんだなと感じました。

そこで、

あ!!これだ!とひらめき笑

「亡くなった人に感謝もいいけど、今、自分の周りにいてくれる人にも感謝したほうがいいんじゃない?にいちゃんと○○ちゃん(お嫁ちゃん)がそこ(母と同じ敷地内)に住んでくれてるから本当ありがたいわぁ。今時、みんな嫌がるのにねぇ。私には無理だわ」と言ってみたのです。

すると、母の表情が一変しました。

「ホントそうよねぇ、ありがたいわ、そこにおってくれるだけでありがたいけんねぇ」と感謝し始めたのです。

それでも、ふと思いだすと、愚痴を言いたくなるようですが笑笑、感謝の方に話を持っていくと、とても穏やかになります。

『感謝』することが大切なのは知っていましたが、どうして大切なのか、自分の中で腑に落ちた瞬間でした。

『感謝』すると何が良いのか?

感謝することで、自分の周りの人や環境に対する良い側面に焦点を当てようとします。そうすると、自分が意外と恵まれていることを再認識することができます。不幸な自分ではなく幸せな自分を発見するのです。

人は自分が幸せを感じるため、あれやこれやと行動します。それぞれの方法で幸せを感じようとし、生きていますが、外に求めるのではなく、まずは元々手にしている幸せに気づくことが重要です。

何をやっても満たされない自分は、きっと何かが足りない、まだ努力が足りていないと感じていませんか?

一度、自分が手にしてるたくさんのものに目を向けてみませんか?